漢服の買い方

タオバオの「定金」「尾款」「差价」って何?

 漢服愛好家のぬぃです。

 この記事では、わたしがタオバオで最初まったく理解できなかったものとして「定金」「尾款」「差价」というシステムを紹介してみます(价:価の簡体字です)

 これはネットで検索してもきれいな訳語もなければ、どういうシステムなのかもほとんど紹介されていないので、私もはじめてみたときにはそうとう飲みこむのに時間がかかりました。

 まぁ、一度理解してしまえばそんなに難しいものでもないのですが、日本ではほとんどこういうスタイルの通販がないので、一応解説してみます(この話は、ちょっと事務的なものになりますので、ふつうに読むと退屈ではありますが笑)

オーダーメイドor受注生産のものに多い

 これは日本では、まずこのような形で服を買うことがないので想像するのがむずかしいと思いますが、タオバオでは受注販売orオーダーメイドのものによく出てきます。「定金」と「尾款」は受注生産に多いです。

 仕組みとしてはこんな感じです。こちらは受注生産の商品のページなのですが、こちらのピンクで丸をつけたところをみてみます。

 まず、予約して買ったときの合計金額が135元(1元=20円くらいなので、合計3000円くらい)です。「定金」というのが前金(予約時に払う金額)です。ここでは、25元(約500円)で予約が完了することになります。

 そして、「尾款」というのが、商品が受注生産されたあとに支払う金額です。こちらの例では、110元(約2200円)が尾款になります。「尾款」って、日本語でなんて訳すのがいいのかわからないのですが、とりあえず“後払い金”という雰囲気だと思ってもらえると近いです。

 なので、「定金(前金)」を払ってもらって、購入希望者がどれくらいいるか決まったら、実際に商品をつくって、そのあとに「尾款(残りの金額)」を支払う……という流れになっています。

「定金」「尾款」の買い方

 この定金制の商品は、予約できる期間がきまっていることがあります。たとえば、上のスクショの例では、5/26~6/20が予約期間になっています。このときに受けた予約の数によって受注生産がされます。

 そして、6/20になると「定金」を払うための商品ページがなくなります。その後、7/30になると、今度は「尾款」を払うための商品ページが別にでてきます。そういう意味でも、尾款ページがでてくる日はメモしておくか、こまめにショップさんの情報をのぞいておくのが理想です。

 あと、「定金」と「尾款」を払ったアカウントが同じかどうかは、自動でタオバオ(もしくはショップさん)のほうで管理してくれるので、こちらとしては特に連絡などはしないで大丈夫です(商品のサイズや色が「定金」のほうと同じかどうかは大事なので、よくみてください♪)

 ちなみに、受注生産の商品は、一度は予約受けつけが終わってしまっても、しばらくするとつぎの予約期間が始まったりします。なので、買い逃したときはそのショップさんをフォローして、ときおりのぞいてみると再度でていたりがあります。ちなみに、上のスクショの例だと、このシャツは第7期の予約です。

 どうでもいいのですが、わたしはこのシステムが最初はまったく理解できていなくて、定金を支払うページがいつまでもあると思っていたら予約期間が終わってしまい、つぎはいつにいつ買えるのかわからない……という状態を経験しました。すごく気に入っていたので、何故すぐ動かなかったのかと数ヶ月もの間、不安と恨みに溢れてすごしました(笑)

オプションサービスの差价(差価)

 受注販売とはすこし話が変わりますが、漢服などのオーダーメイドではオプションサービスのようなものがあります。そんなとき、よく出てくるものとして「差价」があります。(一件しか経験したことがない例なので、どこでも通じるものかは微妙ですが、一応紹介しておきます)

 たとえば、こちらの馬面裙では、通常はプリーツの数が5つなのですが、オーダーメイドでプリーツを7つずつに変更しています。その場合、プリーツひとつにつき、15元の追加料金がかかるので、+30元になります。

 ですが、商品ページではその30元を支払う方法がありません。そんなとき、同じショップさんのページに、「差价(差価)」とかかれた商品が出ていることがあります。

 この「差価」という商品は、オプションサービスなどで出た「差額」を支払うためのものです。なので、商品の画像などは入っていないことが多く、値段も1元になっていたりします。そして、たとえば20元分のオプションがあったときは、1元×30個を購入します。

 これも商品を買った人と、差額を払った人が同じアカウントかどうかは、ショップさんorタオバオが管理してくれますので、とくに名前などを伝えなくても大丈夫らしいです。

 もっとも、いきなり払うのも不安なときは、買った商品のページから「联系卖家(ショップに連絡する)」を選んで、チャット形式で質問してみるのもありです(中国語がわからなくても、DeepLで翻訳してどうにかできます)

 あと、わたしはまだ無いのですが、送料の差額が出たときも、この「差価」から支払うことになっているらしいです。

まとめ

 というわけで、日本ではあまりなじみのない「定金」「尾款」「差价(差価)」について解説してみました。簡単にまとめるとこんな感じです。

  1. 「定金」「尾款」は受注生産のものに多い。予約するときに「定金」を払って、商品が完成したら「尾款」を払うと、ショップさんから発送されます。
  2. 「定金」と「尾款」を払ったアカウントが同じかどうかは、タオバオ(もしくはショップさん)が自動で管理してくれる(このとき、かならず同じサイズ・同じ色を選びます)
  3. 商品によっては、予約できる期間がきまっていることがあるので、締め切りには注意!(それを逃がすと、次回の予約期間まで待つことになります……)
  4. オーダーメイドなどでオプションサービスをつけると、追加料金がかかることがあって、それを支払うときは「差价(差価)」という商品を買います。
  5. 差价(差価)は、1元などで売っているので、たとえば20元の追加料金がかかるときは、1元の「差価」を20個買います。

 ……あらためて書いていて思ったのですが、なかなかに初見泣かせなシステムですよね(笑)日本では、そもそもネットショッピングで後払い(尾款)なんて見たことがないし、オプションサービスもそういう大まかな支払いでOK……という感覚もないので、初めてみたときは本当にむずかしかったです。

 でも、そういう形で売っているものにもすごく魅力を感じているのに、システムがわからなくて買えない……とならないためにも書いてみました。

 最初のときは、数日悩んであちこちネットをみたり、いろいろと訳を調べても全然わからない……という状態を繰り返していたので、ぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです。お読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
nui
漢服愛好家。 埼玉の北のほうに棲んでます。漢服の魅力やコーデのつくり方、楽しみ方などを書いています。皆さまにも、上質で優雅なファッションで幸せな時間を楽しんでいただけるきっかけになったら嬉しいです。 クラシカルで貴族のようで、きちんと綺麗なファッションが大好きです。