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中国スカーフのどぎつい魅力を語らせて

 漢服愛好家のぬぃです。

 今回の記事では、わたしが大好きな“中国のスカーフ”についてお話します。スカーフって、手触りもよくてキラキラとしていて、それぞれが個性的な模様をもっていて、もはや“シルクの宝石”だと思ってます(悩んだら、スカーフを入れると大体OKになると思ってます。それくらい、スカーフは大事なものです)

 そんな素敵なスカーフの中でも、独特のどぎつい(華やかで重厚な)魅力をもっている中国のスカーフについて、その魅力をみなさんに知ってもらえたら嬉しいと思って紹介させていただきます。

 中国スカーフは派手すぎるように思えても、一枚でも持っておくと、コーデの隠し味なのに主役級の存在感を漂わせてくれるので、いつもの装いが見違えるほどに優雅な古色をおびたような印象になります(漢服でなくてもかなり似合います)

 というわけで、わたしの思う中国スカーフの魅力について語ります。ちなみに、中国語でスカーフは「丝巾(絲巾、シルクのスカーフのこと)」「围巾(囲巾、ストールなどもふくむ)」といいます。

重厚で深みのある色彩美

 まずはこちらの写真をご覧ください。

 もうこれだけでも何も語らなくてもいいと思うのですが、さすがにそれでは記事として成立しないので、蛇足を書きます。

 こちらは、左にあるのが玉蘭花(日本語でハクモクレン)、右上の青いものがエルメス柄(馬具の金具など)、右下のオレンジ色のものが植物柄です。そして、その魅力はどろどろと溢れ出すような濃くつややかな色彩感覚です。

 もはやエルメス本家をも越えるような、俗悪さと上品さの間をいくような粘っこい色づかいだと個人的には思っているのですが(かなり偏った美意識です笑)、このベタベタでねっとりとした豊かさにつつまれると思うと気分が上がりませんか……?

 突然ですが、漢服の魅力って、優雅で華やかで文化的な雰囲気とならんで、どこかキッチュで毒々しいところだと思っていて(すごくいい意味です。お気を悪くされたら申し訳ありません)、ちょっと毒属性というかダークファンタジアな植物っぽいイメージです。

 スカーフを選ぶときは、ふつうのトップスなどよりもかなり狭い面積になるので、ちょっと派手すぎるかも……くらいの色にしておかないと、他のものに埋もれて巻いている感が出せなくなってしまいます。装いは重ねれば重ねるほど高貴な印象になっていくと思うので、ぜひたくさん重ねている感を出したいです。

 なので、漢服のコーデ全体が、毒っぽい植物のようなあでやかさ・つながり感だとすると、スカーフもそんな雰囲気にあわせて、“上品で毒々しい差し色”にしてみるとかなり似合います。

 ところで、この隙間を埋め尽くすようで、ちょっと蒸せるように育っている植物っぽい模様って、他のところで探そうとすると意外とみつからないのです……。なので、そんなとき、中国スカーフをみてみると、きっと上品さと悪趣味さのきれいなバランスを帯びた一品がみつかるはずです。

 というわけで、中国スカーフの一つめの魅力は、「どぎついのに上品で優雅な色彩感覚」でした。

どっぷりとした生地感

 中国スカーフ、ふたつめの魅力は「どっぷりとした生地感」です。

 これについては、スカーフのサイズにかかわることなのですが、日本で大きいスカーフというと、だいたいは88×88cm(もしくは90×90cm)がほとんどです。それよりも大きいものになると、長方形タイプになっていくことが多いです。

 そして、スカーフの凝った結び方は、ほとんどのものが88cmのサイズを想定して考えられています(それより小さいサイズだと、長さが足りなくてむずかしいことがあります)。

 ですが、中国のスカーフは大きい正方形タイプだと、多くは105×105cm(もしくは110×110cm)になっています。

 なので、同じ大きめ正方形タイプだとしても、15~20cmほど大きいことになります。わたし的にいわせてもらうと、この15cmの差はかなり大切で、これがあると一気にたっぷりと高級で華やかな印象になります。

 個人的な価値観で、装いはたっぷりの生地をつかっているほど高貴、という思いがあるので、スカーフでお花をつくったり、プリーツをつくったりしたときに、たくさんの生地がきゅっと結ばれていると幸せ感と高級感が一気に上がります

 お花でも花びらの数が多いほど、どことなく高貴な印象になったり、丁寧に育てている感じがしますよね(でも、花びらが少ないお花も魅力はあると思います笑)。中国スカーフは、言われないとわからないけど、そのちょっとした印象の違いをつくってくれることがとても嬉しいです。

 もうひとつ、たっぷりの生地感がある魅力としては、お首のまわりに巻いたとき、たっぷりの生地がふんわりと重なる感覚が、すごく癒されます。重ね襟のように漢服の中にあわせたり、ハイネックのシャツの上にきゅっと巻いたりすると、丁寧に装うことの幸せを感じさせてくれるので、ぜひその幸福感を堪能してください。

 というわけで、中国スカーフの第二の魅力は「たっぷりの生地感」でした。この重みとふんわりとした上質感で、ちょっと首が締まって苦しくてぼんやり眠くなる感じも、一度味わうと癖になります(笑)

手触りがつやつやするする

 中国スカーフ、三つめの魅力は「するするつやつやな手触り」です。

 スカーフって、大体はつやつやな手触りをしていると思うのですが、実際はポリエステルとシルクのふたつがあります。

 そして、ネットショッピングで画像をみていると、ポリエステルでも十分な光沢があるようにみえるかもしれませんが、実物を買ってみた経験として、手触り・光沢感どちらもシルクをおすすめします。

 中国語でシルクは「真丝」「蚕丝」のように書いてあります。ちなみにポリエステルは「涤纶」「聚酯纤维」などといいます。あと、わたしは別にポリエステルがすべて良くないとかは思ってません。新中式のジャケットや漢服などはポリエステルでも十分魅力的なものがたくさんあると思います。

 むしろ、漢服の上衣や、新中式のジャケット、その中に着ているシャツなどがポリエステルだからこそ、間に挟むスカーフの光沢感と上質感が引き立って、お互いに魅力的にみえると感じています。スカーフは装いのアクセントですね。

 そして、手触りの面でもシルクのスカーフの魅力は、一度味わうと虜になります(笑)どれくらい素敵なものかというと、お首に巻いてお出かけすることも好きなのですが、それよりもきゅっと結んでいる時間が好きだったり、暇な時間にアレンジを考えていると2時間くらい経っているほどにスカーフが大好きになれます。

 流れ落ちていく水のようになめらかな手触りのスカーフで、お出かけ前に装いをととのえる時間はきっとその日の満足度を大きく上げてくれるはずです

 というわけで、スカーフを選ぶときはぜひシルク100%のキラキラつやつやのものを選んでみてください。シルク100%って高そう……と思われるかもですが、実は100元くらい(1元=20円なので、大体3000円前後)で買えることがあります。

 あと、スカーフはたまに「微瑕(キズもの、B級品)」という形でかなり安く売られていることがあります(傷はどこにあるかわからない程度でした)。その探し方はこちらに書きましたので、もし興味がありましたらのぞいてみてもらえると嬉しいです。

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まとめ

 というわけで、わたしの思う中国スカーフの魅力を紹介してきました。

 個人的な偏見ですが、スカーフもコーデも、生地が多くて複雑に絡み合っているほど高貴で、丁寧に時間をかけて装うほど高貴だと思ってます。

 それをすべて満たしてくれる中国スカーフをぜひ取り入れてみて、狭いところにぎゅっと凝縮されている華やかなお色味や、小さく結んだ中にもたくさんの重なりが詰まっている生地感、身につけるだけで幸せになれる手触りと光沢感を堪能してみてください。

 スカーフってどこかエレガントさを気取っていて小っ恥ずかしい……という気持ちのある方もいるかもです。実際、わたしもこんなキラキラしたものをふだんから身につけていていいのかな……、もしリアルの知り合いにみつかって笑われたらどうしよう……とか悩んでました(こういうところが本当に小心者です笑)

 ですが、この際、「自分のスタイルはきちんと気取ったエレガント派なのです」みたいな気持ちでいると、雰囲気も立ち姿もスカーフに似合うようにきちんとして、優雅にゆったりとこなして……のように、気持ちもそういう自分を楽しめるようになってきます。

 周りの人からも、「素敵な装いですね」とお褒めいただくことが増えて、ちょっとしたお出かけも大きな喜びになっていきます。さらに、漢服を着る場合でしたら、もともときちんと優雅な漢服に、キラキラとエレガントなスカーフは絶対に似合います(どうせ着るから、楽しんで着たほうが、スカーフも喜んでくれるはずです)

 なので、みなさんも、漢服のときもそうでないときも、お上品で毒々しく優雅な中国スカーフで、きちんとエレガントに装っている自分にぜひ酔ってみてください。

ABOUT ME
nui
漢服愛好家。 埼玉の北のほうに棲んでます。漢服の魅力やコーデのつくり方、楽しみ方などを書いています。皆さまにも、上質で優雅なファッションで幸せな時間を楽しんでいただけるきっかけになったら嬉しいです。 クラシカルで貴族のようで、きちんと綺麗なファッションが大好きです。