エッセイ

買うべきか否かで悩んだら

 漢服愛好家のぬぃです。

 わたしはかなりお買い物大好き(もしくはお金使うの大好き)なタイプだと思っているのですが、装いをつうじて毎日を幸せに過ごせているので、十分気持ち的には元を取っていると思っています(笑)

 ですが、ファッションを楽しむって、やはりお金がかかってしまうものです。特にネットショッピングで買う場合、完全に似合うかどうかわからないまま買うことも不安にさせられます。

 そして、買うべきか否かについて悩み始めると、なかなか答えが出ないまま何日もたってしまい、いつしか売り切れor販売が終わっていた……みたいなことも何度もありました(そうすると、あのときの気に入ったデザインがもうなくなっていて、代わりにできそうなものも見当たらなくて……のように、悔しくてのたうち回っても既に遅し……のような経験がたくさんあります)

 なので、今回はちょっと自分語り色が濃くなってしまいますが、わたしがお買い物のときに気持ちの面で心がけていることを書いてみたいと思います。

 もし買うべきかどうかで悩んだときなどに、気持ちの面で整理をつけるときに参考にしていただければ幸いです。それではいってみます。

「これでいいか(妥協)」ではなく、「これがいい(確信)」になるまで探す

 まず、大事なことはある意味この一言につきているといっても過言ではありません(どんだけ物欲にまみれてるのかと言いたくなりますが笑)

 たとえば、サイズ表記をみていると、お袖がちょっと短い/生地の光沢があるタイプのほうがいい/模様の好みが少し違う……などのように、かなり良いけど欲しいものにぴったり重なるわけじゃない、というお品に出会うことがあります。

 こういうとき、微妙に求めているものと違うけど、まぁ着られないわけじゃないからいいか……という妥協で買ってしまうと、だいたいの場合、買ってもほとんど着ないということが多いです。

 実際、着れば似合わないわけじゃないのですが、それ以上にぴったり似合うものがあると結局そればかり着てしまうことになります。なので、まぁまぁ似合うかな程度で買ってしまうと、結局あまり着なくて、買ったのに生かしきれず、服にも申し訳ないことになってしまいます。

 なので、もはや見た瞬間に「これがいい。これ以外はありえない」と思えるような気持ちになるものをみつけるまで、粘り強くさがして好みのものに出会えるのを待ったほうがいいです(逆に、そこまで惹きつけられるものに出会わないときは買わないくらいの気持ちでいてもいいと思います)。

 もっとも、確信を感じても間違うときは間違うのですが、それでも妥協で間違うよりも確信で間違ったほうがまだ納得できます。というわけで、「これでいい」ではなく「これがいい」を感じられるまで、いろいろと練り歩いてさがしてみてください♪

使うか悩んだら買わない、高くても着たいものは必ず買うことになる

 こちらもかなり大切なことだと思ってます。よく「買う理由が“値段が安いから”ならやめておけ」みたいに言われますが、わたしとしてはどこかで読んだ「使うかどうかで悩んだら買わない(買っても使わないから)」のほうが好みだったりします。

 たしかに値段が安くても、微妙に好みから外れるor似合う着こなしが思いつかない……みたいなときは、買わないほうがいいのは分かります。

 そして、わたしの経験則として「値段が高くて悩んでいるときは遅かれ早かれいずれ買うことになる」というのがあります(笑)

「これ欲しいけど高いなぁ……。こんなに好みなものは他のショップさんにはないけど、でも一番高いんだよね」みたいなときって、何ヶ月もうろうろしても、やっぱり同じところに戻ってきませんか……?

 使うかどうか微妙だけど、安いからついでに買っておくか程度の気持ちだと、買ってもあまり着ないのでお洋服にも失礼になってしまいます。でも、何ヶ月もの間、頭から離れないようなものは、どんなに悩んでいても結局着たいという気持ちは変わらないので、いずれ必ず買うことになるはずです。

 なので、もうちょっとお金が貯まったら……みたいな気持ちもわかりますが、もう絶対にこれがほしい、という気持ちになれる装いに出会えたら、売り切れなどにならないうちにぜひ買ってください。

 そうすれば、ちょっと高かったとしても、金額以上に大活躍してくれるので、満足度もすごく高いお買い物になります。気に入ったものを大切に着るって、本当に幸せで楽しい時間です。(悩んでいて手に入らなかったり、無理して我慢するより、絶対にいいと思います)

 というわけで、ふたつめの大事なポイントは「使うか悩んだら買わない。でも値段が高くてもほしいものはどうせ買うことになるので、売り切れないうちに急いでください(笑)」です。

色に悩んだらパーソナルカラーに合うものを

 さらにもう一つ、色で悩んだときは「パーソナルカラーに合うもの」を選んでおくと、手持ちの服と合わせたときに、わりと何でも馴染みます。なんなら思い付きで組み合わせても、それなりに綺麗にみえます。

 なので、幾つかある色の中から一つ選ぶとしたら……と悩んだときは、ぜひパーソナルカラーのパレットに近い色にしてみてください。

 逆にこのルールを無視するときは、例外中の例外くらいの気持ちでいてください笑。もしぴったりな色がないときは、それ以外にもっと良いものがあるはず……というふうに粘るつもりでお願いします。

 パーソナルカラーから外れた色を合わせるときって、それ以外の場所が自分のパーソナルカラーになっているから、外れた色も差し色として魅力的にみえる……というのがあります(たぶん)。

 ですが、パーソナルカラーから外れたものが幾つも入ってくると、バランスを取るための本来のトーンがぼやけてしまいます。ちなみに、わたしの体感的に、パーソナルカラーを外れたものを差し色として入れられるのは一個まで、みたいな感覚があります(まぁ、工夫次第では何とでもできるのかもしれないけど)

 なので、悩んだらパーソナルカラーに近いものにしておくと、既にある手持ちのカラーと自然に馴染んでくれます。さらには、もしパーソナルカラーから外れる色を入れたいときには、馴染ませ要員になってくれます。

 そうはいっても、「どうしてもこのデザインがいい」というものがあって、それがパーソナルカラーからちょっと外れていることもあるかもしれません。そんなときは、ぜひパーソナルカラーを外れているかもしれない色でも買っちゃってOKです(真逆とかは控えたほうが得策ですが、ちょっと外れているかもくらいなら可)

 たとえば私は1st秋・2nd春なので、黄色っぽい色(緑やオレンジ、ネイビーなども含む)が似合うことになります。そんなとき、ピンクのジャケットにどうしても惹かれてしまったら、こんな時こそいつもパーソナルカラーで揃えたお買い物をしてきた効果があらわれます。

 こちらのジャケット、写真だけだとイエベなのかブルベなのか分かりませんが、それ以外のところをきちんとパーソナルカラーで整えておけば、意外と問題なく着られます(そして、このボタンのディティールがすごく綺麗です)。

 というわけで、パーソナルカラーから外れるものに惹かれてしまったら、まずは徹底的に粘り強く自分のカラーに似合うもので代わりにできないかをさがしてみてください。それでも駄目だったときに、ふだんから固めてきた馴染ませ要員のメンバーが活躍してくれます。

 逆に、パーソナルカラーはかなり厳密にみておくと、もし外れる色をお迎えしたときにも、コーデのトーンを整えてくれるので、ぜひ時間をかけて妥協せず選んでみてください(わたしは数時間みてしまうこともあるけど)。

今の自分に似合うものより、理想の自分に似合うものを

 最後に大切なことはこちらです。ちょっと小っ恥ずかしい書き方になってしまいましたが、今の自分からみて周りにこんな服を着ている人いないし……とか、こんな高級感あふれるものよりも、ちょっと控えめな感じにしておこうかな……みたいな遠慮はせずに、ぜひ「こんな服を着てみたい」と思えるものを買ってみてください。

 今の自分に似合うものに満足している方は、全然問題ないと思います。ですが、周りから浮くのが怖くて、好きなものを抑えているという方は、少しずつでもいいので理想の自分の装いに近いものを買ってみるのがおすすめです。

 もっとも、こんなことを書いている私も、はじめから漢服だったり新中式ファッションだったりと自分の好きなものに出会えたわけではないのですが、それでも今よりちょっと背伸びをした装いに身をつつんでみると、少しずつ好きなものに出会えてくる気がします。

 そして、そんな装いにつつまれてお出かけするときはもう緊張しまくり&人目が怖くてビクビクですが、一回でもお出かけすると本当に気持ちが華やいで、嫌なことも忘れられる素敵な時間がすごせます(笑)

 この感覚って、いままでの自分に似合うものを着ていたときには、まず味わえない特別感だと思います。それに、理想の自分にちょっとでも近づける装いで過ごすと、恥ずかしい話ですが本当に自分が大好きになれます。

 そして、理想の自分に似合うものを買ってみると、意外とそんな自分に成ってしまいます。いつか似合うようになってから買うよりも、買ってから似合う着こなしを練習してみるのも全然ありです。着るのが恥ずかしい/自分が着るなんて畏れ多い……みたいな理由で悩んでいる方は、とりあえず買ってみて理想の自分に近づいてみてください♪

まとめ

 というわけで、ちょっと抽象的な話が多くなってしまいましたが、お買い物をするときにわたしが心がけていることを4つほど書かせていただきました。お買い物って楽しいですが、やはり買っても着なかったなどがあると服にも申し訳なくなってしまうので、かなり悩む機会が多いと思います。

 そんなときに、買うべきか否かで悩んだらかなり時間をかけて苦しむことにもなってしまうので、もしみなさんの参考になればと思い、日頃から心がけていることについて書かせていただきました。

 簡単にまとめるとこんな感じになります。

  1. 妥協で選ぶのではなく、「これがいい」の確信が来るまで待つ(それがないときは、まだ機が熟していないと思ってます)
  2. 使うかどうかで悩んだら買わない。でも、高いけどほしいものは、いずれ買うことになります。
  3. 色はなるべくパーソナルカラーに合わせるのがおすすめ。その蓄積が、いざというときの馴染ませ力にもつながります
  4. いつもお買い物は、今の自分に似合うものより、理想の自分に似合うものを

 なんか最後のは、ポエムみたいでちょっと恥ずかしいですが、悩んだときにはこういうことを思い出してみると、満足度の高いお買い物につながると思います(これが全て正しいわけではないですし、これを気にしても間違うことはありますが……)

 あと、漢服でもそれ以外でも、もしくはファッション以外でも、つくってくれた方に感謝と敬意をもって大切にする気持ちで買うことができるという意味でも、この四つはわたしの中で重視することになっています。

 自分が満足できるだけでなく、物を大切にしたり、つくってくれた方を大切にするためにも、買うものは適当に選ばずに、きちんと気持ちをこめて選んで、長く大切にすることが幸せなお買い物だと思っています。

 なので、わたしが書いたことも不十分な点もあるかもしれませんが、みなさんも買ったものに愛情をもって、素敵な装いを楽しんだり、優雅な気持ちで過ごしてください。

 最後はちょっと無理やりでしたが、お読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
nui
漢服愛好家。 埼玉の北のほうに棲んでます。漢服の魅力やコーデのつくり方、楽しみ方などを書いています。皆さまにも、上質で優雅なファッションで幸せな時間を楽しんでいただけるきっかけになったら嬉しいです。 クラシカルで貴族のようで、きちんと綺麗なファッションが大好きです。