漢服愛好家のぬぃです。
こちらの記事では、漢服のメリットを7つほど紹介させていただきます。まだ漢服を着たことがないけど興味がある方、もしくは買ってみたけどなかなか恥ずかしくて着られない方のご参考になったらうれしいです。
気持ち的なことも実用的なことも書いてみますので、この記事をつうじて漢服の魅力を少しでも感じていただけたらと思います。
ちなみに、漢服を着るようになって、デメリットは個人的にはあまり感じていません(笑)ちょっとお手入れに気をつかうくらいはありますが、それも大好きなファッションを楽しむための時間だと思えば、わたしはけっこう楽しめたりします。
というわけで、漢服のメリット7選のご紹介です。
生地の手触りと色味が美しい
もはや漢服の魅力というか、好きなところはこれに尽きるといっても十分です(笑)
漢服といえば、つやつやとした光沢だったり、華やかな模様だったり、するすると流れるようなやわらかい手触りだったり、もはや芸術品のようなきらきらとしたボタンだったり、みているだけでも幸せになれます。
漢服には「緞子(どんす)」という生地がよく用いられます。織り模様の入った光沢感のある生地のことをイメージしていただけると近いです。
こちらが緞子の漢服のお写真なのですが、お袖のところにうっすらと細かい植物模様がみえると思います。この模様が、光があたると少しずつきらきらして綺麗なのです。そして、手触りがするんするんでつやつやで幸せです(笑)
ちなみに、緞子というとちょっと重いイメージがありますが、漢服の緞子は、しっかりきっちりと重厚感のあるものから、ひらひらと軽いものまで、いろいろな種類があるのも魅力的です。
なので、真冬にはきらきらたっぷりとした緞子を何枚か重ね着するという貴族的な装いも楽しめますし、5月くらいになっても薄めの上衣をシャツの上にかさねるなどのスタイルで、かなり長い期間で上質感のある装いが楽しめます。
あと、上のお写真をみていただくと、ところどころにきらきらしている金の色がみえると思います。こちらも漢服独特の魅力で、このような金糸を織り込んだ生地のことを「金襴(きんらん)」といいます。
なんていうか、漢服ってお寺の飾りみたいな生地と思われた方もいるはずですが、このちょっと古めかしくて、上流階級的な雰囲気ってあこがれますよね(笑)
漢服を着ていると、貴族階級になったような気持ちがして、すごく優雅で充実した一日がすごせます。そして、そんな気分をつくってくれるきらきらつやつやの生地はもっとも大きな魅力だと思います。
知らない人から褒められる&ちょっと扱いが上がる
こちらも漢服の大きな魅力です。まず、漢服を着ていくと、お店などに入ったときにほぼ確実に扱いが上がります。
たとえば、傘を置くときにも、傘立てのロックの解除がわからずにいると「お手伝いいたします」と声をかけていただいたり、カフェに入ったりするとお庭がみえる席に通していただけたりします。
さらに、ちょっとすれ違った案内の方からも「素敵です」とお声がけしてもらえたり、もしくは知らない方にも褒めていただけたりします。
たまたま近くにいる人に話しかけて装いを褒めるって、けっこう難易度が高いはずなのに、わざわざ伝えてもらえるなんて、かなりめずらしいと思いませんか(ちなみに、漢服や新中式ファッションではないときには、一度もそんなことないです。なんなら、昔からの友人にすら褒められないです笑)
こんなこと書いていると承認欲求の塊というか、低俗な慾にまみれているみたいにみえるかもですが、もともと漢服は着るだけでも嬉しい気持ちになれるのに、さらにまわりからも褒めてもらえるなんて幸せすぎると思いませんか。
自分の気持ちに反することをやって周りから褒められるのだったら辛いですが、自分の好きな装いで周りからも褒められるって、本当にいいことだらけだと思います。
まぁ、正面から褒められなくても、それ以外の装いでお出かけしたときと比べて、なんとなく扱いの違いはぼんやり感じたりします。ふだんの装いのときに雑に扱われているというわけではないのですが、なんとなく丁寧な言葉遣いを感じて、ほんのり癒されます。
地味におすすめなのが、美容院やエステなどに漢服or新中式ファッションでいってみることです。(髪の毛で汚れたり、着替えたりするので、完全コーデにはできないかもですが)馬面裙だけ、もしくはジャケットだけでも着ていくと、いつもと同じコースでもちょっとリッチな時間が味わえます。
というわけで、漢服を着てお出かけすると、ちょっと丁寧な扱いをしてもらえたり、会話の流れで褒めていただけたりします。
所作が丁寧になる
これも漢服の大事ないいところです。漢服をきていると、お袖が汚れないか、馬面裙の裾を引きずらないか、歩いているときに形がくずれていないか、漢服に似合う雰囲気ですごせているか……などを気にしながら過ごせます。
そうすると、ふつうに駅を歩いているときでも、バッグをもつ位置だったり、姿勢だったりをきれいにみえるように気遣うようになって、装いはコーデだけでなく、雰囲気や所作などもふくめて完成させていく楽しさが味わえます。
こういうところまで含めての装いって、ふだんはあまり意識することがないかもですが、漢服にふさわしい雰囲気を意識すると、装いとしての楽しみがさらに広がっていくのを感じます。
あと、漢服をきていると、やはり漢服にふさわしい内面もほしくなって、ちょっと丁寧にお礼をいったり、待ち時間でもゆったりと優雅にすごすようになれたりと、心が穏やかになれます(笑)
そういう意味でも、お上品な装いをつくることで、内面まできちんとしてそれに似合うようになりたいと思えたり、所作を装うような優雅な時間をすごせます。
アレンジ自在
ここまで読んでいると、漢服って魅力的だけどちょっと形式的すぎるかも……と感じている方もいそうですが、漢服はかなり自在なアレンジができるファッションでもあります。
たとえば、全身を漢服コーデで固めるのももちろんありなのですが、上衣の中にシャツをINして漢洋折衷コーデにしてみたり、馬面裙だけ取り入れて、上は洋装みたいな混ぜ方もできます。
さらに、お帽子をプラスしたいときは、漢服以外にもクラシカルなものでしたら、わりと何でも似合ってしまいます。意外なところでは、漢服の下にお着物をあわせれば、漢服が羽織と袴みたいになって、和漢折衷コーデなどもつくれます。
それくらい、漢服って実はかなり多彩なスタイルとつながるファッションなのです。なので、「歴史的に~~だから、絶対にこの装いが正しい」的なものよりも、それぞれの人が自分の体型や好きな雰囲気にあわせて、漢服っぽさを混ぜながらアレンジできると思って大丈夫です。
そもそも、新中式ファッションというのも、生地だったり襟やボタンのディティールなどが漢服っぽいけど、全体としてはお洋服寄り……というジャンルで、その折衷度もかなりいろいろなタイプがあります。
さらに、中国のコーデをみてみると、下は馬面裙で上はふつうのシャツだったり、中国ふうのベストだけを重ねていたりと、それぞれのシーンにあわせてコーデを作っている感があります。
なので、みなさんもぜひ自分に似合うスタイルをつくってみる、みたいな気持ちで、漢服を着ていただけたら嬉しいです。
お顔・スタイルが微妙でも似合う
これも漢服の素敵なところです。
はっきりいって、わたし自身もあまり素の外見に自信があるわけではないのですが、漢服を着ているときだけは「素敵な装いですね」「すごくおしゃれ」みたいに褒められます。
でも、ふだんの服のときには全くそんなことないので、これは私そのものよりも漢服が褒められているというのが近いらしいです(笑)
はっきりいって、外見に自信がないときって、ファッションを楽しむにしても「こんな見た目で凝った装いをしていたら、却って嘲笑されるのではないだろうか……」みたいに不安になってしまうはずです。
自分でもそういう時期が長すぎて(13~25歳くらい。長すぎですね)、なかなかファッションへの苦手意識が消えなかったのですが、漢服を着るようになってから、もとの外見に自信がなくても褒められるくらい魅力的にみえている装いがあるのかも、と思えました。
いままでファッションを楽しんできた方はもちろんですが、ファッションに苦手意識をもっていた方にも、ぜひ漢服をきっかけに装う喜びを感じていただけたら嬉しいです。
ちなみに、漢服がスタイルやお顔に自信がない方でも、漢服は素敵にみえる理由は「たっぷりの優雅な生地で、重厚で華やかな色彩・光沢のみを感じさせる」ということかも、と私は思っています。
詳しくはこちらの記事で書いていますが、漢服は着ている人のお顔やスタイルよりも、漢服の模様や生地が主役なので、着ている人は人形の心棒のように(良く言えば)あまり目立たなくなる感があります。
もとの素材が変わったわけではありませんが、それでも似合っているかも、褒めてもらえるかも、みたいに思える装いに出会うと、毎日がすごく楽しくなります。お顔・スタイルの良し悪しとは別に、優雅でお上品な装いをしている枠、というものもありですよね(笑)
着崩れない
これもけっこう大事なところです。一日おでかけすると、あちこち歩いたり、電車に乗ったり、車に乗ったりがあると、お家できちんと整えた装いがちょっと崩れてしまったり、おでかけ先で整えないといけない……みたいになってしまっては、せっかくのお出かけも疲れてしまいます。
ですが、漢服のいいところとして、一日おでかけしても、ほとんど着崩れません。しいて気をつけるとしたら、馬面裙をきゅっとしっかり締めておくだけで、その後はほとんど何も気にせずに過ごしてもOKです。
もちろん、着崩れないように所作を丁寧にゆっくりとするなどは大事ではありますが、それでもあまり神経質になりすぎずに、ふつうに歩いたり座ったりができるのは大きな魅力です。
あと、着崩れないようにするのと同じく、シワにならないように心がけるのも、きちんと落ち着いた佇まいのためには大切なので、ぜひ気をつけてみてください。きっと、電車の中で座っている時間も、ちょっと特別で上質感あふれるものになるはずです。
意外と安い
……ここまで読んできて、漢服ってちょっとお上品に気取っていて高級感があって素敵だけど、あまり高いと困るとお思いかもしれません。
ですが、これも漢服の大きな魅力で、かなりお手頃なお値段で買えてしまいます。もっとも、あまり安いものは生地が粗悪だったりがありますが、上衣は6000円くらい、馬面裙も4000円くらいでかなり上質なものが買えます。
さらにいうと、一万円くらいで馬面裙のオーダーメイドでとても高級な生地が楽しめたり、きらきらの上衣につつまれる幸せが味わえたりします。
これって、ふつうに日本で買える服と変わらない金額だと思いませんか。とくに馬面裙などは一枚もっていると、トップスを変えるだけでかなり着回しができて、ちょっと凝ったスカートくらいにもみえるので、ぜひおすすめです。
まとめ
というわけで、漢服の魅力を7つにしぼってお伝えしてみました。
簡単にまとめるとこんな感じになります。
- 生地の手触りとお色味が美しいです。とくに重厚感あふれる緞子の光沢と模様は、みているだけでも幸せになれる“着る芸術品”です。
- 初めて会った人からも褒められたり、入ったお店などで扱いがワンランク上がります。お金をつかわなくても、ちょっと優雅でリッチな思い出になるので、ぜひお試しを。
- ふつうに歩いたり、座ったりするだけでも、漢服に似合うふるまいをするようになるので、所作が丁寧できれいになります。
- 漢服は、それぞれの人がかなり自在なアレンジをいれて着られるファッションなので、自分に似合う着こなしをみつける楽しみが大きいです。
- 漢服を着ていると、生地の重厚で華やかな光沢や模様が主役になってくれるので、お顔やスタイルに自信がなくても「エレガントでお上品な雰囲気が素敵」という印象になりやすいです。もとのお顔に自信がなくても、装いでつつんでみせられます。
- 漢服は、実はほとんど着崩れません。一日かかるような長いおでかけも安心。
- 意外と安く買えてしまうのも漢服のいいところです。一万円あれば上下セットで買えることも。
……書いていて思ったのですが、本当にいいところだらけでちょっと驚きました。お上品なファッションって、ちょっと高いイメージもありますが、漢服はお値段もほどよくて、しかも素敵な雰囲気になれるということで、とてもおすすめです。
ちなみに、漢服の魅力を知ったときには、もっと早く出会えていればよかったのに……と思ったくらい、わたしにとっては嬉しいものでした。
なんでもない一日が、好きな装いにつつまれて幸せな気持ちで過ごせる優雅な時間になるって、本当に癒されます。しかも、外見に自信がない人でも、意外と似合ってみえるのもすごく嬉しかったです。
漢服に身をつつんだときの雰囲気って、どちらかというと「丁寧に装った雰囲気が貴族っぽくて素敵」だったり「お化粧や装いひとつひとつに手間をかけているお上品さに惹かれる」みたいな“装いを楽しむ気持ちの魅力”だと思います。
なので、みなさんも装いにふさわしい所作になるように気を配ったり、きちんとお化粧を楽しむ気持ちを感じられる時間をぜひたっぷり堪能してもらえたら嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。