漢服愛好家のぬぃです。
この記事をかいているのは、夏真っ盛りの8月です。漢服を着ていると、地味に困る問題として「夏のコーデに迷う」ということがあります(笑)
漢服って、緞子みたいな重い生地が多いので、夏に着るとかならず倒れます(笑)まぁ、それなりの我慢は大切だと思いますが、せっかくの漢服が汗で汚れたり、メイクが溶けたりするのは何としても避けたいです。
薄めの生地の漢服を着るという方法もあるのですが、やや生地感が安っぽかったり、それでも汗をかいて汚れたり……という問題があります。そこで、夏でも漢服っぽさを残しながら、余分な汗をかかずに過ごせるようなコーデを紹介していきます。
まず、記事全体のまとめとして、「夏は新中式ファッション」というのがおすすめです。新中式ファッションは、中国風のディティールや模様を残しつつ、洋装ふうの着こなしができるもの全般のことです。漢服っぽい柄やシルエットで、夏でも似合うものが多いです。
ちなみに、6月くらいまではどちらかというと梅雨なので、シャツと新中式のジャケット、馬面裙などの組み合わせが意外とできます。なので、この記事でいう夏は、7月(梅雨明け)~9月くらいまでのことだと思ってください。
一枚でも主役になる新中式シャツ
7~8月はもはやこれ一択といってもいいと思います。新中式のシャツは、おおぶりな植物柄や山水模様などが入っていて、これ一枚で十分おしゃれにみえます。
こちらは、青みどりの花模様(左)、濃緑の牡丹模様(上)、ネイビーの山水模様(右)になってます。もはや、これだけでも芸術品というか、着ていないときでも見ているだけで癒されます(実際、新中式ファッションのデザインは、伝統工芸品みたいな美しさがあります。いずれも絵として飾りたい完成度です♪)
しかも、生地がするするとやわらかくて手触りがいい上に、お値段も2000~3000円くらいで買えることが多いです。色や柄の種類もすごくたくさんあるので、パーソナルカラーなどを加味して選んでも、好みなものに出会いやすいということも魅力です。
日本ではほとんど売ってないような極彩色の濃密で華やかな模様は、真夏にもうもうとあふれるように茂っている草花のような感じになっていて、そういう意味でも似合います。これを着ていけば、褒められまくり確実&街で異彩を放ちまくりです(もはや褒められすぎて恥ずかしくて逃げたくなります笑)
一回、昔の同級生と会うときに着ていったら、ほぼ全員に褒められて、いなすのが大変でした(笑)新中式ファッションの色って、どこか上品な雰囲気になっているので、派手そうにみえてむしろ優雅な印象になるので大好評だったりします。
個人的には、ボタンがたくさんあるタイプのものが、丁寧に着ていく気分を味わえておすすめです。一つ一つボタンを閉めていく感覚が、装いを完成させる喜びを増やしていきます。
ベストできちんと感をUP
夏でもおしゃれにみえる新中式ファッション、ふたつめはベスト(馬甲)です。
こちらは、新中式ではないふつうのシャツの上に重ねるだけで、コーデが一段クラシカルできちんとしたものにみえます。ベストの生地としては、明るく華やかで光沢感があるものが多いので、白いシャツの上に重ねてあげると映えます。
夏のコーデは、余計なひと手間をプラスしてあげるつもりでいると、どんなときでも装う喜びを忘れないオーラが出せます。なので、ふつうは白いシャツだけで終わらせてしまいそうなところを、ひとつ我慢してパリッっとさせると、自然と背筋がのびて、身のこなしも引き締まります♪
なお、このベストは新中式でなくても、夏のコーデの引き締め役として大活躍です。みんなが軽い装いになりがちな季節でも、上質感のある耀きと色味があると、一気に魅力ある装いができるので、ぜひお試しください。
スカーフや大きめのアクセサリーも必須
夏のコーデの悩みとして、あまり重ね着ができないことと、シンプルになりすぎることの折り合いをどこでつけるかということになりますが、その二つを同時にクリアできるのが「スカーフと大きめのアクセサリー」です。
スカーフは、身につけるときはかならず小さくたたむor折ってしまうので、濃すぎるくらいの色にしたほうが、差し色として映えます。夏だと、首まわりに結ぶのは汗が気になるはずなので、バイアス折りをして首にかけるorケープのように羽織るなどがおすすめです。
スカーフの光沢感とあでやかな模様は、陽射しをあびるとキラキラするので、夏の装いをランクアップしてくれます。ちなみに、中国のネットショッピングでは、個性的で上質なスカーフがたくさんあるので、似合う色や柄を一つみつけると、コーデの幅が一気に増えます。
アクセサリーは、おおぶりなパールネックレスやブローチがおすすめです。新中式のシャツや馬甲(ベスト)だけでは少し物足りないときに、シャツの上にパールネックレスを重ねたり、馬甲の胸もとにブローチをつけると、かなり格が上がります。
これも選ぶときに、なるべくふだんは選ばないくらい色が濃いorおおぶりな柄のものを選んでみてください。ふつうの服には派手すぎるように思えても、新中式の燃え立つような模様とあわせたときに、むしろ綺麗に似合うこと間違いなしです。アクセサリーは重ねても暑くならないのも利点です(笑)
というわけで、新中式のシャツや馬甲だけで足りないときは、スカーフやアクセサリーをプラスです。夏でも渾然とした優雅な深みのある色を、さまざまな形でつくっていくと新中式ファッションの魅力が活かされたコーデになります。
中国のスカーフの魅力とその特徴については、こちらの記事にまとめてみましたので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです(夏の新中式コーデ・ふだんの漢服、それ以外のシーンなど、いつでも活かせる内容になってます)
お帽子はかならずON
こちらも忘れてはいけないことですが、夏でも冬でもお出かけするときは、かならずお帽子(もしくは頭もの)をかぶるつもりでいてください。このひと手間が、装いの高貴さをUPしてくれます。
特に真夏は、日射しも強いのでお帽子が大活躍します。できればつばが広いタイプが、クラシカルな印象&日除け効果もあるのでおすすめです。お帽子が入ると、装いが一気にきちんとしてみえてきます。
ちなみに、お帽子がないと、それ以外のところがきちんとしているのに、どこか欠けているというか、不完全な雰囲気が漂ってしまうので、全体のコーデのバランスを取る意味でもぜひ取り入れてください。慣れてくると、おでかけするときにお帽子なしのコーデは考えられなくなります(笑)
お帽子の選び方のイメージとしては、別荘地や避暑地ですごしている気分にしてくれるものにすると、新中式ファッションの雰囲気に似合います。
日傘はファッションの一部
最後に、夏の必須アイテムとして、日傘も忘れずにそろえたいところです。日傘は、実用的なメリットがたくさんあります。
まず、日傘があると日焼け対策もできます。紫外線を99%もカットできるので、真夏の強い日射しの中のおでかけでは、かならず持っておきたいです。
さらに、しっかりとした日傘は、直接照られているところに比べて、10~15度くらい温度を下げてくれます(ネットショッピングの商品紹介で書いてあることが多いです)。これもメイクくずれを防いだり、汗をかかないようにしてくれる面で、ぜひほしい理由です。
もうひとつ嬉しいところとして、晴雨兼用の日傘にしておくと、夕方の急な雨にも慌てずに済みます。なので、一日かかるお出かけでも、折りたたみの晴雨兼用傘をひとつもっておけば、安心感が違います。
日傘は、ぜひパーソナルカラーなどとあわせて、ファッションの一部として色の馴染みの良さなどをみながら選んでください。ちなみに、漢服・新中式ファッションに似合う傘の選び方については、こちらの記事にまとめてますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
まとめ
というわけで、夏の新中式ファッションのコーデについて書いてみました。夏のコーデの基調として「余計なものをひと手間加えるつもりで」を意識してもらえると、すごくいいと思います。
簡単にまとめるとこんな感じになります。
- 重ね着がむずかしい夏は、一枚でも主役級になれる“柄のきれいな新中式シャツ”がおすすめ
- 夏こそ馬甲(ベスト)で、コーデをパリッと上質に引き締めると、光沢感&きちんと感で気分が上がります。
- スカーフとアクセサリーは、身につけられるアイテムが減りがちな季節でも、しっかりと色味や高級感をプラスしてくれるものなので、ちょっと大きめで華やかなものを選びます
- お帽子と日傘は、日射し対策と優雅さUPのためにぜひ持ってください。傘は晴雨兼用だと、さらに良いです
暑い季節って、かなりコーデの組み方がむずかしくなるというか、漢服ふうの色彩感が豊かで重厚な味わいのあるコーデにならないのが悩みだったので、夏でも手の込んだ装いを楽しむための方法として、わたしなりに考えたことを書いてみました。
特に、お帽子と日傘の組み合わせは、暑さ対策としても実用性を兼ねているので、夏ならではのおしゃれになると思います。お帽子も褒められ率がとてつもなく高いので、毎日を特別にする気持ちをこめて、初めはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、ぜひおめかししていただければ嬉しいです。
ちなみに余談ですが、この記事のヘッダー画像は、避暑地っぽいという理由で尾瀬です。尾瀬は山中の高原なので、下界とはちがってすごく涼しいのですが、そこに行くまでに3kmほどの山道を歩いたり、夕方に突然雷が襲ってきたりと、避暑地の優雅さとはまるで違うすさまじい場所でした(でも楽しかったです笑)
今回もお読みいただきありがとうございました。